2010年1月29日

『入門 哲学としての仏教』を読んで

 仏教の哲学的側面を高く評価している私としては、この本は非常におすすめ(おすすめ度★★★★★)である。専門用語がしばしば出てくるので、一通りは仏教の哲理を知っていないと理解困難な部分も多いと思われ、中級~中上級者向きである。だが仏教の門外漢でも、十分には分からないながらも現代の哲学的な主題に仏教思想がどのように答えうるのかを知る手がかりは得られるだろう。これをきっかけとしてもっと深く仏教思想を学ん...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月27日

CDで日蓮宗のお経

 日蓮宗は他宗は比較して元気がよすぎる。私としては仏教は寂静の境地に至る修行だと思っているので、方向性が違うんではないかという気がしないでもない。ま、それはさておき、いちおう代表的な宗派でもあるので日蓮宗に関してもお経関連の本やCDを紹介しておく。    まず、以下の二つはCD付きのお経解説本である。これらは池上本門寺系の僧侶による読誦である。        『実修 日蓮宗のお経』(左側)は初心~...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

般若心経解説(14)不生不滅

  ~ シリーズ最初からよむ人はこちら ~  (漢文読み下し)   生ぜず、滅せず (梵文和訳) (一切法は)生じたということもなく、滅したということもない。      我々の日常的な判断からすると、事物は生滅しているし、きれい汚いの区別はあるし、増えたり減ったりする。だからこの経文の一節は特殊な事柄を言っていると考えられよう。文脈からいって、「不生不滅 不垢不浄 不増不減」は直前の句、「自性が空...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月22日

CDで浄土真宗のお経(動画を追加)

 浄土真宗(真宗)は親鸞聖人を宗祖とする浄土教(阿弥陀仏信仰)の宗派である。浄土真宗には十派あるが、そのうち本願寺派(西本願寺,お西)と大谷派(東本願寺,お東)でほとんどを占めている。両派に教義的な違いがあるわけではなく、歴史的経緯によって分裂した。支援したのが豊臣家だった(本願寺派)か、徳川家だった(大谷派)の違いであるから、両派の違いの強調は仏教教義の点からは非本質的なものだろう。    ただ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月14日

『比叡山と天台のこころ』を読んで

   天台宗の思想を把握しておこうと思っていたところ、杉谷義純『比叡山と天台のこころ 』という本が最近出版されたので、読んでみた。最澄,円仁,良源,源信,天海の五人が天台宗において果たした役割を簡潔に紹介していて、天台宗の歴史の重要ポイントをつかむのに非常に便利な本である。初級~中級向きで、おすすめ度★★★★★である。      まず、本の内容を簡単に紹介しておこう。    日本天台宗の祖である最...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月 9日

般若心経解説(13)舎利子 是諸法空相

  ~ シリーズ最初からよむ人はこちら ~    (漢文読み下し)    舎利子 是の諸法は空相なり   (梵文和訳)    ここではシャーリプトラよ、一切法は空性という特徴が(ある)。      法(ダルマ,dharma)は非常に多義である。そこで、まずは法の意味をざっと見ておこう。中村元『佛教語大辞典』(東京書籍)から、関連箇所を抜き出すことにする。     法    dharmaは、√dhR...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月 3日

CDで浄土宗のお経(動画を追加)

 浄土宗(総本山・知恩院)といえば、ポク・ポク・ポク……と木魚を叩いてお経を唱える宗派である。法然上人が開いた浄土宗には西山浄土宗という一派もあるが、読誦するお経としてはほとんど違いはない。むしろ節付きかどうかがCD選択のポイントになるかもしれない。  「ナムアミダブ、ナムアミダブ、ナムアミダブ、……」と唱えるのは浄土真宗も同じだが、その他の部分を聞いていると、雰囲気がだいぶ違う。やはり戒に対する...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月 6日

般若心経解説(12)受想行識亦復如是

~ シリーズ最初からよむ人はこちら ~      (漢文読み下し)    受想行識もまたかくの如し   (梵文和訳)    まさしくこのように、受想行識は(空性であり、空性こそが受想行識なのである。受想行識は空性とは異ならず、空性は受想行識とは異ならない。受想行識であるところのものが空性であり、空性であるところのものが受想行識なのである)。    この一節は、色不異空などの縁起的存在のあり方を色の...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月 3日

CDで天台宗のお経(動画を追加)

 私は最近お経にこっている。といっても唱えるというよりは聴くほうである。だから、基本的にお経の内容云々よりも耳触りのいい声質が重要だったりする。(^^;    今回は天台宗のお経CDの紹介である。天台宗は円・密・禅・戒の総合仏教であり、円とは円教すなわち法華経である。法華経には興味があるが日蓮宗はちょっと……という人は、天台宗で法華経に親しむといいかもしれない。もともと法華経読誦は天台宗が“ご本家...

» 続きを読む

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年12月 1日

『空海 塔のコスモロジー』を読んで

 武澤秀一『マンダラの謎を解く -三次元からのアプローチ 』に引き続き、その姉妹編といえる同著者の『空海 塔のコスモロジー 』を読んだ。内容が重なる部分もなったが、全体としてはそれほど気になるものではなく、むしろ簡単に解説してあるインドや中国の塔の歴史が思い起こされて、より楽しめた。また、この本で詳しく解説されている中国山西省の応県木塔(前掲書 117~131頁)は、それ自身が曼荼羅であることがよ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«『唯識でよむ般若心経』を読んで