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2009年1月27日

『実修 真言宗の密教と修行』を読んで

 このところ私は、密教の修行についていろいろ調べている。本で探してもたいしたことは書いていないのだが、以下の本は、一般向けとしてはかなり踏み込んだ内容の本である。


 これは真言宗の実践に興味がある初級者以上の人にお薦めしたい。もちろん全くの独学で修行の成果があがるわけではないが、著者も書いているように、在家の修行志願者が一定期間に密教修行のできるシステムの修行道場はとても少ない現状のなかで、その概略でも知っているだけでも修行の進度に雲泥の差がでてくる。付属のCDにある真言や陀羅尼などを聞いて耳を慣らしておくだけでも、何かの行法を教えてもらう際に大きな違いが出てくるだろう。

 付属のCDには、おつとめの御経をはじめ、如来・菩薩・明王のみならず諸天の真言まで収められている。そのほか仏頂尊勝陀羅尼、一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼、阿弥陀如来根本陀羅尼、薬師如来大真言、大金剛輪陀羅尼も収められている。在家の人々が唱える可能性のあるすべての真言・陀羅尼を網羅していると言っていいのではあるまいか。

 本の中には、各々の真言や陀羅尼について簡単な解説もある。各真言や陀羅尼はひらがなで書かれ、その横に梵字が記されている。いわゆる慣用音と梵字の音は微妙に違うが、もし梵音で発音しようと思ってもローマ字化していないからほとんど無理だ。

 阿字観の実修に関しても概略が掴めるようになっている。ここでは、阿息観といって「アー」という音に意識を向ける方法や、月輪観についても触れられていて、全体として阿字観をどんなふうにやるのか概略をイメージしやすくなっている。

 そのほか写経のしかたや、家遍路といって自宅で写経しつつ四国八十八カ所の札所の本尊を念ずる行法も紹介している。

 この本の最後のほうに、詳解とはなっているが、僧侶の修行と修法をちょっとだけ紹介している。「師匠探しと得度」「四度加行と行法」などの節もあり、十八契印も写真入りで紹介されている。護摩法などについては具体的な作法はほとんど書かれていないが、ごく概略的なことには言及されている。そのほか灌頂や諸尊法についても言及がある。

 巻末には修行のできるお寺も紹介されている。

 いずれは密教の修行をしてみたいと思っている人は、この本で形だけでも真似てみるといいのではないかと思う。真言宗の僧侶だって形しか分かっていない人もいるのだろうし、密教の事相(行法)の形だけでも分かって顕教の勉強をしていくと、顕教で把握できた真如がその形のなかに入り込んでいく。だから、広く仏教を学んでいく人にとっては、この程度の密教知識を得ておくことは決して無駄ではない。



 
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