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2012年2月24日

理趣経関連の本を読んで

 久しぶりのブログ更新。理趣経の解説本の紹介記事はすでに書いていたと勘違いしていたので、だいぶ遅れてしまった。しかし、最近出た本も紹介できることになった。

   
  

 大栗道榮『図説「理趣経」入門』(読経CD付)は、ちょっと俗人におもねっているような感じがしてあまりお奨めではないが、眉に唾をつけながら読むぶんには大丈夫だろう。読経CDが付いているのでここでもご紹介した。初級者向き、お奨め度★★★★☆

 信頼が置けてお手軽な解説書として、松長有慶『理趣経』(中公文庫BIBLIO) がある。理趣経の深みを知るためには密教の基礎知識が不可欠であり、その点で素人向けの導入としてお手頃である。初・中級者向き、お奨め度★★★★★

 最近出た本として正木晃『読んで深まる、書いて堪能する「般若理趣経」』があげられる。この本には白文はあるが読み下し文がない。現代語訳は理趣釈も参照しつつ補足して訳してあるので、原文と比べて読むとちょっと戸惑うかもしれない。しかし、解説部分と一緒に読めば問題なかろう。正確に読むというよりも全体の雰囲気を掴むための現代語訳だと考えるとよい。たとえば自性清浄を「如来の眼から見れば清浄である」と達意訳している。なお、この本には曼荼羅の解説がない。

 最初の部分にルビ付きの理趣経がまとめて載せてあるので、ちょっと読誦したい人や経全体の構成を見通すのに便利である。また、最近は写経が流行っているからか、本の後ろの部分に写経のお手本がある。理趣経の第九段にも「受持読誦自書教他 書思惟修習種々供養 即為於諸如来広大供養」とあり、写経もまた供養になるのである。だが、この本には序説と初段と第十七段の百字の偈しか写経のお手本がないのがちょっと残念。初・中級者向き、お奨め度★★★★☆

 もうちょっと本格的な解説書としては、第一に、松長有慶『理趣経講讃』がある。中級者向き、お奨め度★★★★☆である。また、八田幸雄『秘密経典・理趣経』も基礎知識を固めるのには丁度いいのではないかと思う。これも中級者向き、お奨め度★★★★☆である。

 これまで理趣経は理趣釈とともに読まれてきた。この貸し借りの問題で空海と最澄が仲違いしたといわれる曰く付きの書物である。この解説があってこそ理趣経がわかるとされる本である。通り一遍の理解でいいのならば上に挙げた解説書で十分に間に合うが、理趣経を深く知りたいと思う人は必ず参照すべきではある。最近、『密教経典 -大日経(抄)・大日経疏(抄)・理趣経・理趣釈-』が出た。かつてのハードカバーが講談社学術文庫に収められたものである。中・上級者向き、お奨め度★★★★★


 読誦したい人は、お手本として使える理趣経のテープやCDがある。最近はMP3のダウンロードまであるんだね。CDでさえ大きくて邪魔くさいという時代になった。

  


 無料で楽しみたいという方は、YouTubeにも理趣経の読経(ただし一部だけ)がいくつかあがっている。これは「YouTubeで理趣経」にまとめた。

 


 
 
 
 
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